外国為替証拠金取引(FX)の基礎知識

外国為替相場の決定理論「国際収支説」

外国為替相場の決定理論「国際収支説」とは!



◆国際収支説

「国際収支説」とは、外国為替相場が変動する要因が国際収支にあるとする説です。
この国際収支説は、1861年に英国の銀行家で政治家でもあったG・Jゴッシェンによって確立された理論。

相場は外貨に対する需要と供給により決定され、その需給を決定するのは国際貸借関係であるという考え方です。

19世紀後半から第1次世界大戦に至る金本位制時代に支持された古典的な理論の一つであり、当時の国際収支は大半が経常収支であったため、経常収支だけ見れば為替の需給関係が把握できた時代を背景にしていたものです。

ところが、1980年代以降から、国際収支の中で外国への直接投資や証券投資などによる資産と負債の変化をあらわす資本収支の占める割合が大きくなり、最近では経常収支と資本収支のバランスを見て判断するようになってきています。



この理論の難点としてよく挙げられるのは、
現在の相場では需給関係がリーズ・アンド・ラグズ(leads and lags)により変化してしまうために国際収支だけでは相場を判断できないのではという点です。

また、データの信頼性という面では、国際収支のデータ収集方法は各国の統計データに誤差があり、本当に需給関係を反映しているかどうかという問題点も指摘されています。

しかし、いずれにせよ、需給が為替変動に大きな影響を与えるとしている点で非常に評価されるものです。

◆リーズ・アンド・ラグズとは!

リーズとは早める、ラグズとは遅くするという意味。
相場の予測を基に売り買いの時期を早めたり、遅くしたりすることをいいます。

例えば、代金を3ヵ月後にドルで支払う契約を結んだとすると、現時点で3ヶ月の先物予約にてドルを購入することも可能であり、また3ヵ月後の当日までの間は米ドルが安くなる時を予想し、いつでも米ドルを購入することが可能である。

このリーズ・アンド・ラグズが相場を変動させる要因となることも多い。

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